未来の約束
未来へと繋がる、明日への約束
次の日、入院荷物も手に病院へと向かった。

次、いつ外の空気を感じれるかわからない。

だから噛み締めながら、歩みを進めた。

慣れない病院と人の多さに、待ち時間だけで疲れる。

やっと名を呼ばれ、診察室に入る。

前の患者のカルテを片付けると、樋口はこちらを見る。


「体調は?」

「その前に、何か言うことあるでしょ?」


あたしはお父さんから預かった書類を、樋口の机の上に置く。


「あたしのことなのに、どうして先にお父さんに言うの?」

「お前に話す前に、勝手に話したことは悪かった。少し数値が気になるとこがあったから、万が一のために話した。書類等もあるからな」


万が一、ね。

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