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性と死と
初夜。
感じたことのない空気が漂っている初夜。
何か、こういうものなのだろうかと。
不思議に感じました。
自分はこんなにも情けなく、
彼女はあんなにも偉大だったのかと。
今まで何度も布団のこすれる音は聞いていました。
本番もそういう音を聞くのだろうと。
ですが、いざその時になると、
聞こえてくるのは彼女と自分の吐息だけです。
彼女の瞳に映った自分はとても醜く、魑魅魍魎も逃げ出すほどでした。
こんな姿を見せるために人間に生まれたのではない。
そう思いました。
僕の目に映る彼女は楊貴妃にも負けず劣らずで。
目の前にいる生を持つものの中で一番美しいであろう塊は
なぜか僕に身をゆだねるようで。
その姿が何とも麗しく、先ほど感じたことも忘れ彼女を求めました。
終わった後には微妙な空機が流れましたが
それを無視して二人眠りにつきました。

Q.死から逃げ切ることはできますか?
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