あふれる笑顔

春

エープリルフール

「ただいまぁ～
あれっ？洋ちゃん、来てたんだぁ。」

咲のご機嫌な声が響き、一気に店は賑やかになる。

カウンターに座って、コーヒーを飲んでた洋介は

ニヤリと人の悪い顔を浮かべて

その後振り向く時には、神妙な顔を作って

「ちょっと圭哉に相談しにね。」と。

「そっかぁ。
だったら、私は先に帰っておくからゆっくり話してね。」

素直な咲の言葉に

「いや。
居てくれて大丈夫だよ。
仕事の話しじゃないから。」って。

あぁ～あ、始まった。

洋介は、咲をからかうのが大好きなのだ。

仕事…………

俺とこの洋介と半分血の繋がった弟のささで

俺達は、探偵もどきのことをしている。

学生時代にヤンチャをしてた延長で

裏の事を普通よりちょっとだけ知っている俺達が協力しているのだ。

咲は、その相談だと思っているみたいだ。

「実は、彩のことなんだ。
今日は幼稚園で何ともなかった？」

彩とは、たんぽぽ幼稚園の先生で咲の一つ先輩。

洋介の彼女なのだ。

「彩先生？？
う～ん。特別変わった事はなかったようなぁ～？」

首を傾げる咲に、ガックリ肩を落として

「無理してるんだろうなぁ。
おろすつもりかなぁ？？」って。