part-time lover


『水色のシャツワンピースとネイビーのバッグです。西口の改札前でお待ちしてます』

そうそっけないメッセージを送ってから数分間、時計とにらめっこをしていると、目の前に背の高い影が見えた。

「お待たせしました…であってますよね?
工藤です」

視線をあげると、爽やかな、いかにも同世代の銀行マンという印象の好青年が立っていた。

ネイビーのシャツにスキニージーンズ。
背は高めで、白い肌に黒髪のショートカット。
端正な顔立ちからとても知的な印象を受けた。

「あ、はい。はじめまして。滝本です。よろしくお願いします」

突然の登場に構えてしまいあまりにも愛想のない返しになってしまった。

「今日はお会いしてくれてありがとうございます。
せっかくの土曜の夜なんで、美味しいものでも食べましょ。
お店こっちなので」

「あ、ありがとうございます」

私の不器用な返しは気にする様子もなく、彼は店の方に向かって足を進めた。

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