虹色シンデレラ
「たとえお前が縁談を断っても、誰もお前を責めたりはしない。好きなようにすれば良い」
「そんな簡単な話しなの?」
そうじゃないでしょう。

少なからず援助を受けている以上、引け目はあるんだから。

「なあ虹子。お前達は知らないだろうが、高宮家との付き合いはずっと以前から続いていることなんだよ」
「どういう意味?」
「元々じいさんは小さな会社を経営していた。その開業資金を援助したのも高宮家だ。あっという間に会社は倒産してしまったけれどな。俺自身、若い頃に友達の連帯保証人になって大きな借金を背負いそうになったのを助けてもらった」

そんな・・・
そんな以前からなんて・・・
こんな話しを聞かされて、縁談を断れる訳ない。
完全にお金で繋がっている関係。
反発などできない。
< 38 / 579 >

この作品をシェア

pagetop