俺の、となりにいろ。

「失礼します。咲さんいますか?」

手を止めて扉の方へ向くと、奈津美が小さな箱を持って立っていた。
彼女はいつもの癒し系の可愛い顔をしている。ソバカス顔の私と違い、色白の和みのある顔立ちだ。

奈津美はカウンターに箱を置いた。
「お昼に政樹さんとランチに行ってきました。そのカフェの苺タルトが美味しかったので、お土産です」

甘い香りが漂う箱の中には、可愛らしく美味しそうな苺タルトが二つ入っていた。
心身ともに疲れを感じている私には、嬉しいプレゼントだ。
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