大嫌い、だから恋人になる
憧れと現実
中学校二年生の夏休み明けは、今までで一番つまらなかった。

なっちゃんはバスケ部で大活躍、凜ちゃんは学年でトップの成績。

私だけが何も無かった。

私だけおいてけぼりな気がした。

先生や周りの友達にも言われた。

「池谷は頭良いし、安部も頑張ってる。それに比べてお前は・・・」

そんなこと自分が一番わかってる。

自分にだけ何にもないって。

なっちゃんは私と同じ位の成績だったけど、
それは部活をやってたから。

その気になれば、私なんか全然追い付けない。

凜ちゃんは美人で、なっちゃんは可愛い。
私だけ普通だった。

きっと二人もそう思ってる、この時、私は勝手にそう思ってた。
< 124 / 319 >

この作品をシェア

pagetop