緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
10.大騒動

1)思わぬ再会

朝からとても穏やかな時間が流れてる。
ゼミの課題も前もって終わらせられたし、楓馬君も仕事で外に出てる。
ちょっかいをかけられることもない。

こんなにも清々しい時間を独り占めしてもいいのかな。
いいや、たまにはいいよね。
ここ最近いろいろありすぎるくらいだったんだから、たまには何もなく過ごす日があったっていい。

雲ひとつない空を見上げて、目を閉じる。
心地よい風が全身を包み込んでくれる。

でも、私は知っている。
こういう平穏を、嵐の前の静けさと呼ぶ人もいるということを。
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