恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
「お疲れさまです」
「ああ」
会議で出かけていたボスが戻ってきた。

私の前を通り過ぎようとして、足が止まった。
「怪我は大丈夫?」

怪我?
ああ、忘れていた。
昨日ボスに手当てしてもらってから、そのままにしている。
でも、気にならないって事は大丈夫なんだと思う。

「そうだ。院長が君の仕事が早いって喜んでいたよ」
「ありがとうございます」
「馬鹿。そんなに喜ばせるなって言ってるんだ。また仕事を回されるぞ」

また怒ってる。

「大丈夫です」
「俺が大丈夫じゃない。俺の仕事だけ受けていれば良いんだよ」

そんなあ・・・院長秘書はベテランさんで、パソコンの入力が得意でないみたいだし。私ができるんだから、問題ないと思うけれど。
ボスには通じないらしい。
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