【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

灰野くんに近づきたい


藍田胡桃SIDE*



夏休みも、もう最終週。


補習は嫌だけど、灰野くんがいるから頑張れる。


だけど、ナギちゃんのヤケを見ると、心苦しくて目をそらしたくなるよ。


まぎれもなくあたしが骨折に追い打ちをかけちゃったんだから。


罪悪感が日々、膨らんでいく気がする。


今日も補習を終えると、ナギちゃんのお迎えにあがる女子が廊下にいて溜息が出た。


その様子をあたしと灰野くんは冷え切った目で見つめるんだけど。


「ナギちゃんのこと、どうしたらいいのかな……」


「ほっとこう」

「え」


灰野くんは結構冷たいこと言うんだなぁ……。

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