晴れた日に降る雨のように
「お疲れ様。祐樹。今回も幹事ありがとう」

私は平静を装うと、祐樹の瞳に向かってニコリと表情を作った。

「こっちこそ今回も出席ありがとな」

そう言って簡単に当たり前のように、私の頭をポンと触れる祐樹はずるい。

身長180㎝ぐらいの彼と、158㎝の私。

肩までの私の真っすぐな髪を、少しだけもて遊ぶように触れて離す。

視線を無理に合わせないと、合う事のない私と彼の距離。

あえて私がその距離を取ろうとしていることなど知らないその行為に、ギュッと胸が締め付けられていることなんて、あなたは知らないでしょ?

そんな事を思いながら、私は少しだけ恨めしそうな気持を込めて祐樹を見据えた。

「なんだよ。その顔」

クスリと笑って、そんな私をサラリと交わして一歩前を歩く祐樹の背中を、ため息交じりに追いかける。

帰りの駅までの道が同じだとわかっていたから、足早に店を後にしたのに、いつも簡単に追いつくその歩幅が今は少しだけ憎たらしい。
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