ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 エリナとミメットは、日本ではお馴染みの調味料を数種類と米、そして豚肉とキャベツとトマトを買った。「さすがにお豆腐は無理だったけど」と言いながら、大根とにんじんとキノコも買った。玉ねぎとじゃがいもは在庫があるので、豚肉の端っこを入れて豚汁を作るつもりだ。

「初めてのものがたくさんあるけど……どんな食べ物なんだろう」

 ミメットは、醤油も味噌も食べたことがない。味の見当がつかない調味料を見て、少し不安を感じてるようだ。

「あ、でも、エリナのことを信頼してないわけじゃないんだよ」

 ミメットは、あわあわしながら言った。

「大丈夫、わかってます。姉さんには馴染みがないから、どんな料理になるか想像もつかないですよね。だから、まずはお昼に作って試食しましょう。で、万一口に合わなかったら、スカイヴェン国にもありそうな他の料理を考えるから大丈夫です。材料がこれだけあるんだもん。でもね……」

 エリナは、声をひそめて言った。

「もしも口にあったら、これを『青弓亭』の名物料理にしたいんです。他の食堂と同じことをしていたら、お客さんは呼べないし、ミメット姉さんのお兄さんが帰ってきた時に、あっと言わせたいと思いませんか?」

「……それは、面白そうな話だけど」

 ミメットは、エリナの顔をまじまじと見て言った。

「あんたって、虫も殺さぬような可愛らしい子猫のくせに、結構闘志があるよね。小さくても猫は猫だねえ」
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