ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 江理奈は、とあるペットサロンにトリマーの見習いとして勤めている。
 動物が大好きで懐かれやすい江理奈にはトリマーは適職だと思われたが、実際はペットの世話をするだけでは済まなかった。

 やはり商売なので、売り上げも大事なのだ。ペットの飼い主へさらにサービスを売るために、いささか強引に営業しなくてはならない。

 そして、職場の人間関係という問題もあった。

 先輩の補助に入った江理奈は、施術の最中にペットがおとなしくなるため飼い主からの評判が良かった。中には、まだ見習いだというのに江理奈を指名する客もいる程だ。

 だが、なぜかクレイマーの客からは絡まれやすかったし、『見習いのくせに生意気だ』と、江理奈の事を良く思わない先輩のターゲットにもなってしまった。

 江理奈は知らずに就職してしまったのだが、このペットサロンは従業員の使い方が荒く、まともなトリマーはもうとっくに辞めてしまっている。

 そんな店だから、世間を知らない江理奈はいいようにこき使われ、先輩のサンドバッグにされ、楽しいはずの仕事で辛い思いをしていた。

 今日も朝から、江理奈に対する理不尽ないじめが先輩たちから行われて、彼女は心身ともに疲弊している。
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