あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて

隣にいるべき相手

もやもやしてたまらなかった。

携帯を握りしめては置き、置いては握りしめてを繰り返した後、お店に顔を出すことに決めた。

営業時間中は、忙しくて相手はしてもらえないことはわかっている。

それでも併設されている喫茶スペースで、働いている颯馬を盗み見ることはできる。

それに、久し振りに颯馬が作った甘くてとろけるようなケーキでお腹をみたしたかった。

話したり触れたりできなくても、姿をみて甘い香りに包まれればきっと心も満たされて、少しはこのもやついた気持ちが晴れるかもしれない…。

そう思いながら颯馬が働く洋菓子店に向かった。

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