続き4️⃣

···紗也誕生



「パパ、ママ、行ってくるね。
紗也(さや)行ってくるね。」
と、紗也の頬にキスをして
蒼空は、学校へと
「ソラ、
行ってらっしゃい。」と、メイソン。

「蒼空、行ってらっしゃい
車に気をつけてね。」と、沙織

「はぁ~い」


「サヤ、おはよう。」
と、メイソン。

沙織は、紗也を産んで
退院したばかりだ。


メイソンは、初めて
出産に立ち会う。

破水して、病院に行く間も
オロオロしていて
沙織に笑われていたが
沙織の陣痛がひどくなると
涙ぐんだり、焦ったり
大変だった。

出産が始まると
驚いたみたいで
部屋の隅に行き
オタオタしていて
看護師さんに叱られていた。

奥さんの汗を拭いてください。
奥さんの腰をさすって
ほら、手を握ってと
沙織も、赤ちゃんが出る前には
メイソンに気を回すことも
できなくなり
赤ちゃんが
「オギャア、オギャア」
と産声をあげると
メイソンは、
ヘナヘナと座りこんでしまい
先生からも看護師さんからも
笑われていた。

「ほら、パパ
すごく、綺麗な顔の女の子ですよ」
と、言われて
メイソンは、ポロポロ涙を
落とした。

赤ちゃんは、沙織の胸の上に
置かれ・・・
沙織とメイソンは
嬉しさと
ホッとした気持ちでいっぱいだった。

『ありがとう、沙織。
僕に赤ちゃんが産まれるときの
感動を味会わせてくれて』
『うふっ、大変だったね
メイソン。』
と、言うと
メイソンは苦笑いをして、
看護師さん達からも
笑われ、肩をすくめていた。

「でも、倒れなくて
良かった。ご主人みたいな
大きな人が倒れたら
大変だったから」
と、看護師さんが言って
笑いが溢れた。

赤ちゃんは、新生児室に行き
沙織は、病室に移動した。

メイソンは、沙織のベッドの
横に座り
沙織の髪を撫でたり
キスをしたりして
沙織を笑わせていた

メイソンは、きっと
蒼空の時も、こうしていただろう。

あの時は、両親と絢ちゃんがいてくれた
心強かったが・・・

今度は、メイソンに任せて
両親は、明日来ることに
なっていた。

メイソンは、明日
婚姻届けと出生届を父と
出しに行く。

赤ちゃんは、紗也と名付けた。

メイソンが
『沙織に近い名前にしたい
俺は、漢字がわからないから
沙織と同じ漢字でよい』
と、言ったので、
沙織が何点が希望をだして、
最終的には、蒼空が決めた。

それが・・・紗也だった。


学校が終わり、メイソンと
一緒に病室にきた蒼空は、
紗也を見つめて
可愛い、可愛いと新生児室の窓に
へばりついていた。

翌日、病室に赤ちゃんが
来ると、ずっと紗也に触って
話しかけていた。
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