···いまからは


家について

蒼空がメイソンをあちこち
案内している。

メイソンの教室も

沙織は、少しの間
ソファーに座り休憩する。

メイソンは、沙織の隣に
腰かけ沙織の手を握り
『ありがとう。
素晴らしくて、驚いたよ。
ごめん、本当にごめんね
大変だっただろう』
『メイソン?』
『ああ、ありがとう。
赤ちゃんも家のことも。』
『うふふっ、良かった。
気に入って貰えて』
『すごく、すっごく、気に入ったよ』
と、沙織を見て微笑む

連絡を取り合うようになってからも
メイソンから離れるときも
メイソンは、ずっと、
私に謝ってばかりいるから
『メイソン、ごめん、じゃなくて
ありがとうが良い。』
と、言う私に
困った顔をしながら
『わかったよ。』
と、言って
二人で笑いあった。


沙織は、あの時
メイソンと再びこんな風に
笑いあえる日が来ると
夢にも思っていなかった。

あの時・・・
こうしていたら
ああしていたら
と、考える事もあるが

あの離れていた時間があるから
今、三人で穏やかに過ごせる
メイソンにも素直に
愛情がそそげると思う

これからは、いろんな事を
話し合いながら
生きていきたい。
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