俺様課長のお気に入り
幸せな週末
それから、要君は早々に私の両親に挨拶をしてくれた。

「頼りない陽菜には、要君のように年上でしっかりした人がちょうどいいのよ」

なんて、要君のことをすっかり気に入った母が、上機嫌で言った。

「本当だな。これで翔も、安心して生まれてくる子にかかりっきりになれるな」

と話すのは父。
こちらも上機嫌だ。



「陽菜ちゃん、この前はごめんね。翔を止められなくて」

真美さんが、申しわけなさそうに言ってきた。

「あはは。あの時は、本当に要君が殺されると思った」

「やりかねないわね」

真美さん、真顔で何気に怖いことをしれっと言ったな。

「でも、ちゃんと認めてくれたからよかった」

「翔もね、陽菜ちゃんの幸せを心から願ってるのよ。だから、陽菜ちゃんが幸せなら、それが一番なのよ。まあ、多少悔しそうだったけどね」

「翔に認められるのは、お義父さんやお義母さんの許可をもらうより、はるかに手強い相手だからな。認めてくれてよかった」

要君の言葉に、みんなが笑った。

「おい、要!俺はそんなにわからず屋じゃないからな!」

ますます、笑いが広がる。
ああ、幸せだなあ。






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