2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
嫌いな人
その日、私は少し風邪気味だったけど、会社に出勤した。


熱はないけど、体がだるい。


体調を崩してしまったのは、久しぶりだった。


12月も半ばで、慌ただしく過ぎる毎日。


年末までには、スッキリさせたい。


ひどくならなければいいんだけど…


でも、この先の予定は…


今のところ、何もなかった。


本当なら、私は柊君と、クリスマスもお正月もずっと一緒に過ごすつもりだったから…


例え、熱が出なかったとしても、私は1人で寂しい年末を過ごすんだ…


一気に虚しさがこみ上げる。


『柚葉ちゃん、ちょっとコピー』


まただ。


山下専務には、うんざりする。


本当に…嫌なんですけど。


『はい…』


席を立って、コピーに向かう私の後ろから、声がする。


『柚葉ちゃん、ちょっと着いて来て』


専務が、私を追い抜かす。


何で着いて行かなくちゃいけないの…
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