エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
心地良い温かさに、大好きな匂い。夢心地とはこのことか……と日菜子は思いながら、自分がすっかり寝てしまっていたことに今更ながら気がついた。
パチッと目をあけると見慣れた天井が目に入る。気がつけばベッドに横になっていた。と、そのときぐいっと二の腕あたりに力が加わり、横向きにされた。
「おはよう」
「おは……っん」
挨拶を返す間もなく、拓海の唇が日菜子のそれに触れる。
至近距離でみる拓海の顔は、少し眠そうだが昨日までの疲れ切った顔とは全然違う。
「悪い。昨日先に寝て」
「ううん。ここまで運んでくれたの、拓海が?」
「ああ。お前もぐっすり寝てたから……なっ」
ぐいっと体を引き寄せられた。拓海の体が日菜子に密着する。お互いの体温を感じ合う。
「ああ、ひさしぶり。俺、日菜子をこうやってるときが一番幸せ」
思い切り抱きしめられ、拓海は自分の顔を日菜子の髪に埋めた。
日菜子もそっと拓海の背中に手を回す。日菜子もまた、彼に強く抱きしめられているときが幸せだった。
しかし穏やかな幸せは、すぐに拓海のいたずらな手によって端へと追いやられる。耳、瞼、鼻先、頬、次々と落とされていくくすぐったいキス。
そのキスが唇までたどりついたとき、口づけは深いものへと変化した。
息が苦しくなるのにはそう時間がかからなかった。
激しいキスに応えるのに精一杯で、彼のいたずらな手が日菜子のパジャマの裾から侵入してきたのに気がついたころには、もう彼のなすがままだった。
長く激しいキスから解放されたとき、日菜子の息は上がり頬は赤く染まり、目は潤んでいた。
「ごめん、途中で止めるつもりだったけど、そんな顔されたら我慢出来そうにない」
拓海の目に熱が籠もる。
「そんな顔って……んっ……あ」
反論する暇など与えられなかった。その後は拓海から与えられる熱に翻弄され、何も考えられなくなってしまう。
激しい衝動に呼吸を乱しながら、彼の愛を受け入れる。
そして日菜子もまた、せいいっぱい愛を返す。
これまでのふたりで会えなかった時間を埋めるように、お互いを求め合った。