悔しいけど好き

俺って奴は…


最近の凪は何を悩んでいるのか浮かない顔をするようになった。
訳を話せと言っても頑として話してはくれず俺を遠ざけようとする。

合コンに行っていいだなんて普通彼女が言うセリフじゃないだろう!と憤慨するも何か思い悩んでる凪の顔を見たら問い詰める気持ちも失せてただ何も言わずに抱き締めた。

凪も何も言わずに背を預けて来るから俺が嫌いになったわけでは無いだろう。
きっと自分の中で心の整理が着いたら話してくれるはず。
そう思ってここ数日は何も聞かずただ抱き締め凪から話し出すのを待っていた。

そうしてただ待つのも辛いなと思う頃、珍しく美玖さんに夜の食事に誘われたと嬉しそうに言って出掛ける凪を会社で見送り、ほんとに美玖さんと食事?と疑ってしまう自分に嫌気が差して頭を振る。

ここのところ俺が凪のことを吹聴してるせいか凪に興味を持つ輩が出て来て、牽制するはずが興味を持たれてしまったことに焦りを感じていた。
俺の影響力を自分で侮っていた。
俺が凪のことを話す度、女子は凪を敵対視し男は何かとちょっかいを掛けようとする。

お陰であの荒川に凪はコーヒーをぶっかけられる羽目になってしまった。
俺のせいだ。
他にも嫌がらせなど受けていないかヒヤヒヤしたが幸い凪は鈍感で周りの目に気が付いて無い様子。
一応対策も取っているからそれが功を奏しているようだ。
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