幼なじみの不器用な愛情
第十章~未来への道しるべ~
「伊崎様ですね。お待ちしておりました。お連れ様のお加減はいかがですか?」
予約していた旅館に着き、隆弘に支えられて華は旅館の中に入った。
「お布団を敷いておりますのでゆっくりお休みくださいね。何かありましたら遠慮せず連絡をください。」
「ありがとうございます。チェックインの手続きは彼女を部屋に送ってから私が戻ってきますので、よろしくお願いします。」
隆弘は事前に華の体調を旅館に伝えていたため、旅館に入るとすぐにカギを預かることができた。

「大丈夫か?」
「うん。もう、平気だよ。ありがとう。」
旅館の部屋に入り隆弘はすぐに華を布団へ寝かせようとした。
「先にお風呂入っちゃおうかな。」
「待ってろ。一緒にはいろう。」
予約した旅館は部屋に露天風呂がついている部屋だった。源泉かけ流しの露天風呂は24時間いつでも好きなときに入ることができた。
初日はもとから用事があり、チェックインも夜になることが分かっていた二人は、2泊する予定だった。
「エッチ」
華が冷やかすと隆弘は耳まで赤くしながら「ばか」と笑った。
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