花はいつなんどきも美しく
自信はまだない、けど……
会社に行けば、園田雪がいて。
居酒屋に行けば、ママがいて。


もう、家から出たくなかった私は、初めて仮病で会社を休んだ。


昼過ぎまで布団から出なくて、起きては寝るを繰り返していた。


さすがにお腹が空いてきて、重い体を起こす。


何を作る気にもなれなかったため、カップ麺に手を伸ばす。
お湯を入れたカップを食卓テーブルに置き、テレビをつける。


特に見たい番組もなく、ただ音を流すためだけになってしまった。


テレビの隅にある時計で三分経ったことを確認すると、フタをとる。
無心で食べ終え、テレビを消した。


箸と空になったカップをシンクに置き、またベッドに戻ろうとしたとき、インターフォンが鳴った。


「はーい……」


気の抜けた声で返事をし、ドアを開ける。
そこにはママが立っていた。


「こんにち」


挨拶を聞き切る前に、ドアを閉めた。


なぜ確認しなかった、私。
というか、なんでママがここに?


いや、その前に起きたばかりで身だしなみ最悪すぎるんだけど。


「聡美ちゃん?愛ちゃんに聞いてきたんだけど、大丈夫?」


混乱している中、ママはドアの外から割と大きめの声で言ってきた。


近所迷惑になると思って、渋々ドアを開ける。


「……とりあえず入って」
「お邪魔します」


なぜか嬉しそうだった。


愛子……なんでよりによってママに言うかな……
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