シンデレラには····程遠い
愛されてる?

今日、日本へ帰国する。

この二年、自分なりに頑張った。

仕事自体は、楽しいし
遣り甲斐もある。
難しい質問も調べて
教えたり。
毎日が充実して
楽しい。

二年目は、夏季休暇に日本へ帰り
冬季休暇は、絢斗さんが来てくれた。
だが、離れるときに
やはり、辛くて
三年目には、電話とLINEだけで
日本へ帰省する事も
絢斗さんがフランスに来る事も
止めて貰うように
絢斗さんにもお願いした。

絢斗さんは、
私の意思を尊重してくれたが、
あまりにも
簡単に了承されて

絢斗さんは、
私に会えなくても
平気なんだと
自分が勝手にお願いしたのに
そんな風に思ってしまい
電話もLINEも
ほとんどしなかった。

すると快斗さんから
珍しく連絡が来た。

「鈴香ちゃん、兄貴と連絡とってる?」
と、言われて
「⋅⋅⋅⋅すみません。
  ⋅⋅⋅⋅⋅⋅あまり⋅⋅⋅⋅してま⋅⋅⋅せん⋅⋅⋅⋅」
と、答えると
「頼むから、連絡して。
ご機嫌ななめで、仕事やりにくいの。
それでなし、鈴香ちゃんが
いないからマンションにも
あまり帰らないんだよ。」
と、言われて
快斗さんの言葉に驚いてしまって
「鈴香ちゃんが思っているより
ずっと、ずっと、兄貴は
鈴香ちゃんを愛してるよ。」
と、言って貰えて
「すみません⋅⋅⋅
 ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅自信⋅⋅⋅なくて⋅⋅⋅⋅
 ⋅⋅⋅⋅でも⋅⋅⋅⋅⋅電話します。
快斗さんっ⋅⋅⋅⋅ありがとう⋅⋅⋅⋅⋅
ございますっ⋅⋅⋅⋅」
「うん。宜しくね。」
と、言うと快斗さんは、
直ぐに電話を切った。

あんなに不安だったのに
顔が⋅⋅⋅⋅⋅ニヤケて⋅⋅⋅⋅しまう⋅⋅⋅⋅⋅

少し気持ちを落ち着けてから
絢斗さんの携帯番号を押した

「はい。」⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅と。
ただ、それだけなのに
鼻の奥が、ツンとなる
漏れる嗚咽に⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

「自分で決めたんだろ。」
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅はいっ⋅⋅⋅⋅⋅」
「鈴香。
俺は、お前が思っているより
何倍も何百倍も
お前を愛してる。」
「⋅⋅⋅⋅⋅うん。うん。
ごめ⋅⋅⋅んっ⋅⋅⋅なさ⋅⋅⋅い⋅⋅⋅⋅
自分で⋅⋅⋅⋅いったのにっ⋅⋅⋅⋅⋅
簡単に⋅⋅⋅⋅承諾した⋅⋅⋅⋅絢斗さんに⋅⋅⋅⋅」
「俺は、鈴香の思うように
させてやりたい
鈴香の思うように
たとえ、自分を偽っても。」
「わたっ⋅⋅⋅し⋅⋅⋅⋅
本当に⋅⋅⋅⋅ごめん⋅⋅⋅⋅⋅なさい⋅⋅⋅⋅⋅」
「ああ。いつでもかけてこい。
俺は、鈴香の恋人で
婚約者だろ。」
「はい。絢斗さん、大好きっ」
「ああ、俺は愛してる。
鈴香、早く帰ってこい。」
「はい。待っていて下さいね。」
と、話して電話を切った。

それからは、
電話やLINEは沢山した
だが⋅⋅⋅⋅絢斗さんに一度も会わずに
我慢して帰国まで頑張った。
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