君がいればそれだけで。
一章・誰のために動くのか

君のためなら

王女が嫌われている理由は簡単で、何となく怖いからだった。国に反抗し、死刑を待つだけの人々を救ってくれた人物であるにも関わらず距離を置かれている。こればかりは相手の見方を変える姿勢や王女の理解してもらおうという努力が奇跡的に実らないと解決しない問題だから俺がどう手を回しても変わらない現実だった。
そんな日々が続いているある日、他の国のご厚意で応援がやって来た。鬼の国から来たラズハルドとリズレイド、精霊の国から来たヒュー、獣の国から来たベクウ。それぞれ国に追い出された、両親が別種族に見えなくもない姿をしているが成績はその国の上位を争うほどなのだとか。
王女の性格を知っている近しい国だからこそ、戦いの腕もあって人々と親しくなりやすい人材を選んでくれたらしい。でも、王女はどう受け取るんだろうな。
確かに王女は今の世界で一番力を持っているのだろう。本気を出せば全世界を瞬きしている間に滅ぼす事も可能。
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