王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



気づけば長かった夏休みが終わり、
季節は秋に突入した9月の中旬。


「あっ、そういえば、もうすぐ僕の父親が主催するパーティーがあるから。芙結も出席してくれる?」


「……は、い??」


あまりにさらっと、とんでもないことを言われたような気がして、手に持っていたフォークを落としそうになった。


「毎年この時期……秋くらいになるとあるんだけど。それが今年もあるから、芙結も僕と一緒に参加してくれないかなって」


「やっ、えっと……パーティーって……」

パーティーなんて聞いたら、嫌でもとんでもない規模のものを想像しちゃう。


めちゃくちゃ大きい会場とか貸し切って、ドレス着て大人たちがワイングラス片手ににこにこしながら……って、さすがにそれはドラマの見過ぎか。


いや、でもパーティーなんて現実味がないというか。


「別にそんな大規模なものじゃないから。
僕の両親が芙結に会いたがってるのもあるし」

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