雨のリフレイン
8.予測出来ない事態

悪夢の始まり

横浜までは、直通のバスに乗ることにした。一番楽で早いし、バス停から光英大学附属横浜新医療センターまでもそう遠くないからだ。

ただ、本数が少ない。昼の時間帯は一時間に一本しかなかった。

柊子は、12時台のバスに乗ることにした。
すぐに会えなかったら、横浜で少し観光でもして時間を潰してもいい。


定刻通りにやってきたバスはそれほど混み合ってはいなかった。
スーツ姿のサラリーマン風の男性や親子連れ、年齢不詳の妖艶な女性など、乗客は柊子を含めても七人ほど。

このバスは前方のみに乗降口がある。
横浜に着いたらすぐに降りたくて、最初は空いていた運転手のすぐ後ろの席に座ろうとした。
だが、外の景色が見たくて、左側の席にする。一番前の席はバス会社のパンフレットなどが置かれていたので、前から二列目の窓際に座った。


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