極上弁護士の耽溺プロポーズ
とろける夜
次の日、柊一くんは朝仕事に出て行ったきり帰らなかった。

夜連絡はあったし、話し方もいつも通りだった。

何も心配することはないはずなのに、昨夜向けられた背中が頭から離れなくて、自家中毒を起こしたように苦しかった。

朝、柊一くんが仕事に行く前に、どうして謝れなかったのだろう。

ひんやりするゲストルームでひとり眠る夜は、長くて孤独だった。

たった二日一緒に眠っただけで、ひとりで寝るのがこんなに寂しくなるなんて思ってもみなかった。

柊一くんの腕の中で眠るのは心地よかったはずなのに、それを手放したのは紛れもなく、自分自身だ。

……柊一くんがいないのなら、わたしがここにいる意味なんて、何もないじゃない。

ひとりでに、涙が頬を濡らした。
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