しあわせ食堂の異世界ご飯6
四 菜薬草のひと口手毬寿司
四 菜薬草のひと口手毬寿司


 屋敷の庭にいる小鳥がさえずりを奏でると、リズベットは自然と目が覚める。しかし寒くなってきたこともあり、どうにもベッドから出たくない。
「うぅ……ずっと寝ていたいです」
 もそもそと布団の中に潜っていくと、侍女の「おはようございます」という声が聞こえてくる。
「リズベット様、旦那様が朝食をご一緒するそうですよ。ご支度いたしましょう」
「お父さまが?」
 ここ最近はずっと朝早く、夜遅かった。
 そのため、顔も見るのもちょっと久しぶりなくらいで。リズベットは布団から顔を出して、寒さに震えつつも……起きることを選んだ。

「おはよう、リズ」
 食堂へ行くと、すでに食事を始めてはいたもののライナスがいた。リズベットの顔を見ると、嬉しそうに微笑んだ。
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