二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて番外編『京都の夜』
「靭じゃないか。久しぶりだな。来てくれたんだ」
「そりゃ閉店と聞いたら、何をおいても駆けつけなきゃと思って」
「何年ぶりだ?」
「もう6年になるよ。東京に帰ってからは来てないから」
現れたのは、四十過ぎのひょろっと背の高い男性だった。
黒のTシャツに黒のジーパン、長い髪を無造作に後ろで括っていて、細縁《ほそぶち》の眼鏡をかけている。
バーの店主というよりは、スタジオミュージシャンのような雰囲気の人だ。
「こ、こんにちは」
「へえ、彼女? ずいぶん若い子じゃない?」
「うん。原田夏瑛。おれの恩師の姪。今、大学1年なんだ」
「そうか……。よろしく。中村です」
そう言って、右手を差し出された。
おずおずと握手すると笑顔を向けてくれた。
初対面の緊張をほぐしてくれるようなあたたかな表情だった。
「そりゃ閉店と聞いたら、何をおいても駆けつけなきゃと思って」
「何年ぶりだ?」
「もう6年になるよ。東京に帰ってからは来てないから」
現れたのは、四十過ぎのひょろっと背の高い男性だった。
黒のTシャツに黒のジーパン、長い髪を無造作に後ろで括っていて、細縁《ほそぶち》の眼鏡をかけている。
バーの店主というよりは、スタジオミュージシャンのような雰囲気の人だ。
「こ、こんにちは」
「へえ、彼女? ずいぶん若い子じゃない?」
「うん。原田夏瑛。おれの恩師の姪。今、大学1年なんだ」
「そうか……。よろしく。中村です」
そう言って、右手を差し出された。
おずおずと握手すると笑顔を向けてくれた。
初対面の緊張をほぐしてくれるようなあたたかな表情だった。