雪に咲く華


「悪いな呼び出したりして。一応電話で話は聞いたが、ちゃんと顔を見ときたくてな」

「俺も3年の担任だからなかなか会う機会もないしね。あとは忍さんが暴走しないか見張りも兼ねて」


あたたかい笑顔で笑いかけてくれる忍さんと雅輝さん。雅輝さんの後ろに真っ黒なオーラが見えるのなんて気にしない。だって2人とも本当に私を心配してくれてるんだってわかるから。

だから2人にはちゃんと話しておかなくちゃ。


「で、双龍に入ったって?」


先程と比べて低くなる声。真剣な表情。総長としての顔だ。


「正式に加入したわけではありません。名目上、私は監視されている状態です」

「名目上?」

「見たところ、双龍のメンバーは私の素性について疑いはないようです。初日以降、データベースに侵入しようとした形跡はありません」

「なるほどな。本当に仲間として見ているわけか」


そうだ。彼らはもう私を受け入れてくれてる。言葉にはしないけど、仕草が、空気が、それを物語っている。


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