もう一度あなたに恋をする

心地いい場所

東京での生活が始まって三週間、初日に出された試験?に合格をもらったおかげか次の日からは普通に仕事を任せてもらえるようになった。日常生活の方もマンション近くの店舗情報などもわかり、コンビニ生活からも解放された。

「朱音この頃ずっとお弁当だね。」

「向こうでもお弁当でしたし、それに外食ばかりだと食費もかかるので。」

たぶん私の給料は同世代の女の子達よりはいい方だと思う。家賃に光熱費、携帯代に食費(贅沢せず自炊中心で)その他もろもろ引いても少しは貯金出来るくらいは貰っているし大阪の時は実家暮らしだったので貯金もある事はある。
けど急に大阪事務所が突然閉鎖になったように、いつどうなるかわからないのが人生、備えないとね。
うーん、なんかババくさい?

「そっかー、朱音は一人暮らしだから家賃もいるもんね。私は実家だから考えた事なかったな。」

「みのり、あなたは一人暮らしをしても作らないでしょ。って言うか作れないわよね?」

「ははは。夏樹の言うとおり。でもそう言う夏樹も一緒よね?」

「だ・か・ら!朱音ー、実家追い出されたら私のお嫁さんになってね!」

「あっ、ずるい!」

ははは、私嫁ぎ先できちゃった。

「そんな事より、みのりさんも夏樹さんも今日の新歓で飲み過ぎないで下さいよ。いつも私大変なんですから。」

「「はーい。」」

どうもこの二人はお酒が大好きで、楽しいお酒なのはいいけれど飲み過ぎて帰宅するのが大変なんだとか。しかもほぼ毎回みどりさんが面倒を見ているらしい。

そして今日は新人研修も終わり落ち着いたと言う事でデザイン企画部の新人歓迎会が行われる。デザイン企画部七十名近くの内やっぱり全員が出席とはいかないものの、それでも五十名近く出席する大宴会だ。
大阪は全員で九人と宴会と言ってもこじんまりとしていたのでどんな感じなのか全く想像がつかない。
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