転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
第五章 子爵令嬢グレーテと、魔法学園の謎
季節はあっという間は過ぎ去る。初夏を通り過ぎ、夏盛りとなった。

卒業論文のテーマを決める前に、大イベントがある。それは、魔法学園の文化祭だ。

魔法で作った食べ物を扱う出店に、幻術魔法を使ったお化け屋敷、魔道具の展示など、これまで習ったことを活かした発表を生徒と保護者に向けて行うのだ。

“魔法薬学科”では何をするのか、みんなで考える。

最初に元気よく挙手したのは、ニコラであった。

「はい、はーい! 魔法薬喫茶とかどうでしょう? お客さんの体調に合わせた魔法薬を、お出しするんです」

「そんなに体調不良の者が客にいるだろうか?」

ローデンヴァルト先生の容赦ない突っ込みに、ニコラは言葉を失ってしまう。もっと、優しい言い方をすればいいものの。

「ニコラ、アイデアはいいと思う」

「グレーテさん、ありがとうございます」
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