悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
初夜の床にさえ来ず、純潔の乙女のまま朝を迎えた屈辱は今でもありありと覚えている。
それは、年を重ねても変わらなかった。
レオンティーナに見せつけるように、愛人を次々と取り換えた夫、社交の場でひそひそとささやかれる噂話。
――愛されなかった皇妃。
その言葉は、レオンティーナのプライドをずたずたにした。
政略結婚の何が悪い? 釣り合った家柄というだけで結婚するのは貴族ならば当然だ。責められるべきはレオンティーナではなく、義務を果たさなかったアンドレアスだ。
(私は、そんなに悪いことをしたかしら?)
多少の散財は認める。
皇妃にふさわしく装うには、美しいドレス、多数の宝石が欠かせない。美容のための高価な化粧品も。
馬車での移動が快適になるように、馬車にも贅をこらしたし、招待客を唸らせるためには美食も欠かせなかった。
たしかに、贅沢が過ぎると言われればそうかもしれないが、政治に関わらせてもらえなかったレオンティーナが知るはずないではないか。
――このヴァスロア帝国の屋台骨そのものが、砕けつつあったということを。
それは、年を重ねても変わらなかった。
レオンティーナに見せつけるように、愛人を次々と取り換えた夫、社交の場でひそひそとささやかれる噂話。
――愛されなかった皇妃。
その言葉は、レオンティーナのプライドをずたずたにした。
政略結婚の何が悪い? 釣り合った家柄というだけで結婚するのは貴族ならば当然だ。責められるべきはレオンティーナではなく、義務を果たさなかったアンドレアスだ。
(私は、そんなに悪いことをしたかしら?)
多少の散財は認める。
皇妃にふさわしく装うには、美しいドレス、多数の宝石が欠かせない。美容のための高価な化粧品も。
馬車での移動が快適になるように、馬車にも贅をこらしたし、招待客を唸らせるためには美食も欠かせなかった。
たしかに、贅沢が過ぎると言われればそうかもしれないが、政治に関わらせてもらえなかったレオンティーナが知るはずないではないか。
――このヴァスロア帝国の屋台骨そのものが、砕けつつあったということを。