悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 レオンティーナの散財は、国庫にも影響を与え、国が終焉を迎える頃には、仕立屋や宝石商への支払いに四苦八苦することもあったというのは、捕らえられてから聞かされた話だった。
 アンドレアスも同様に、愛人への贈り物や自らの身を飾る品々には金銭を惜しまなかったから、国家の財政は傾く一方だったそうだ。

(……そうね、たしかにちょっとやり過ぎたと言えばやり過ぎたかも。アンドレアスの気を惹きたかった……私が望んだのは、それだけだったのに)

 思えば兆候はあったのだ。
 新しいドレスを仕立てようとしても、なかなか皇宮に来なくなった仕立屋。
 新作のアクセサリーが完成する度に皇宮を訪れた宝石商も、皇妃が身に着けるにふさわしい宝石が手に入らないからという理由で訪れなくなった。
 少しずつ質の落とされていった食事、欠席ばかりがめだつようになった招待状。
 少し気を配れば気づけたはずなのに、そこから目を背け続けたのはレオンティーナ自身。

「レオンティーナ様、お食事をお持ちしました」

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