本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~
中里さんとは一緒に仕事をこなす内に"ちゃん付け"で呼び合うようになっていて、信頼関係を築けてきといると思う。

私と中里 優月(なかざと ゆな)ちゃんは、同い年で短大卒業と同時にホテルに就職したという境遇同士。

以前のホテルでは予約担当だったらしいが、私同様にいざこざがあり、支配人に所有されている身だ。

職場のホテルは違うが同じ境遇で過ごしてきた者同士、話が合う。

「お疲れ様!今から食事?」

従業員食堂に辿り着き、お皿におかずを盛り付けていると後方から声をかけられた。

「今日はルームメイク行って来ました。今からお昼なんです」

宴会マネージャーの星野さんが、自分の立場も気にせずに気軽に声をかけてきたのだった。

「そっかぁ、研修は大変だけど頑張って!……?そう言えば…篠宮さん、雰囲気変わったよね?」

「実は…支配人に幼稚だって言われたんです。努力しなきゃいけないな、って思います」

支配人が私自身が輝くようにしてくれたんだもの、努力を惜しまず身だしなみに時間をかけることにした。

年齢を重ねる事にもっと綺麗な女性になりたい、貴方の隣に立っても不釣り合いにならないように───……
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