俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
エピローグ

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 それから三カ月がたち、季節はすっかり夏になっていた。

 私と貴士さんは眩しい日差しの中、ふたり並んで古い日本家屋を見上げる。


 以前は『葛西書道教室』の看板がかけてあった場所に、『観光案内所』という新しい看板が取り付けられている。

 私は入籍を済ませ、都築綾花になった。
 今はこの町を離れ、貴士さんのマンションで暮らしている。
 ちなみに披露宴は秋にする予定だ。

 東京では結婚準備をすすめながらカルチャーセンターで書道講座の講師をし、自分の作品にも取り組んでいる。

 今日は貴士さんとふたりで、生まれ変わった祖父の家を見に来たのだ。


 祖父との思い出が詰まったこの家は、町に寄贈し観光案内所と町の人たちが集える集会所になった。
 中には自由に飲めるお茶が用意され、祖父の書作が家のあちこちに飾られている。

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