諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
諦めないで
 ――理人さんのマンションに来てから、約一週間が経った。

 朝、身支度を整えて洗面所からリビングに戻った私は、理人さんと話す見知らぬ人物のうしろ姿を認めて小さく跳ね上がる。

 私に気づいた理人さんがこちらに視線を移すと、その様子を察知したのか、スーツ姿の男性がおもむろにこちらを振り返った。

 スーツ姿の男性は、私の存在に驚いたようにきょとんとする。

「有家。その同居人のことは気にするな。それより最終確認の続きだ」

 理人さんがスーツ姿の男性に促した。

 同居人って。

 私は思わず心の中でツッコミを入れる。
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