諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 眠る直前まで会話していられるなんて、なんて幸せなんだろう。

 私は全身をほの温かい幸福感に包まれた。

「今日も好きです。おやすみなさい」

 心からの想いを伝えてから目を閉じた。

「あっ、くれぐれも早起きして朝ご飯を作ろうなんて思うなよ。お前はなにを仕出かすかわかったもんじゃないからな」

「これでも家事はひと通りできるんですけど」

 すっかり眠りに入ろうとしていた私は、目を瞑ったまま答えた。

「信用できない」

「じゃあ今度、美味しい手料理をふるまいますね」

 明日も理人さんに会える。
< 126 / 199 >

この作品をシェア

pagetop