一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

しかし今は、すっかり変わった。
慣れていたはずのパンプスは靴ずれをし、久しぶりに着たスーツは全く落ち着かない。
この3年と少しの時間で私はまったくの別の人間になった気がした。
ましてや、今は専務に思い出されたくもないたため、化粧もほとんどマナー違反にならない程度にして、メガネももう一つあった、フレームの太いものに変えた。

専務に会う。

重い気持ちを引きづりながら、私はそのビル群の中でもひときわ高い、ビルへと足を踏み入れた。


なんとか迷子にならないように、昨日教えられた通りにパスをかざし役員フロアへ到着して、私は小さく息を吐いた。
気合を入れるために小さく息を吐くと、すでに何人か出社していた秘書課の人へ挨拶をした。

「おはようございます」」

みんなが挨拶をしてくれる中、上品なベージュのスーツを着こなした一人の女性が立ち上がった。
「おはようございます。松永さんね?」

「はい」
綺麗で完璧に見えるその人に、私は緊張しつつ返事をした。
「私は副社長秘書の真壁明日香です。今日からしばらくあなたに仕事を教えるように言われいるの」
少しきつそうに見えたその人が優しく微笑んでくれて、私はホッとしながら頭を下げた。
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