【完】溺愛したいのは、キミだけ。

*モヤモヤと不安

「それにしても、翠先輩元気になってよかったよね~」


隣を歩く美羽が話しかけてくる。


放課後、いつものように一人で帰ろうとしたら、下駄箱でまたバッタリ美羽と会って、二人で一緒に帰ることになった。


「うん、もうすっかり回復したみたい」


私が笑顔で頷くと、美羽がニヤニヤしながらポンと肩を叩いてくる。


「きっと、ヒナちゃんの熱心な看病のおかげだねっ」


「えっ! いや、私のおかげとかじゃ……っ」


「えー、絶対そうだって! だって翠先輩、ヒナちゃんが手厚く看病してくれたって颯希に話してたらしいよ」


「なっ……」


そ、そうなの? 翠くんが?


なんかそれ、嬉しいような恥ずかしいような。


「ふふふ、一体どんな手厚い看病したの~?」


なんて言いながら、じーっと顔を覗き込んでくる美羽。


「べ、別に大したことしてないよっ」



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