アルベルトの誕生日パーティーから半年が過ぎた休日の昼下がり、ロザンナは自室で机の上に置いたランタンをじっと見つめていた。

ランタンのガラスの中には小さな火球。それは弱々しく揺らめいた後、弾け消えた。


「それなりに長い時間保てるようにはなったけれど……」


まだまだだわと心の中で付け加えて、ロザンナはため息をつく。

十回目の人生を始めてから、自分の武器とするべく、これまであまり得意としていなかった火の魔力を高める努力をロザンナはこっそり続けてきた。

と言うのもカークランドでの学び方は様々だ。

読み書きなどの最低限の知識を学べる下級院、魔法や剣術を初歩からしっかり身に付けるための中級院、そして専門知識を得たいなら上級院のマリノヴィエアカデミーを目指すことになる。

しかしそれは平民の流れであり、王族や貴族は子供を下級、中級院に通わせず、代わりに家庭教師をつけるのが通例となっている。

エストリーナ家も例外ではなく、ダンとロザンナは家庭教師から多くのことを学んでいる。

しかし一年ほど前から、ダンは魔法や剣術を重点的に学ぶようになり、一方ロザンナは教養やマナーに関しての講義が多くなり始めていた。