この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
「結城さんの状況を知らずに強引に呼び出してしまいすみません」

「原田さんが謝る必要はありません。私がお話しなかったのですから」

「葵。男性が苦手な事は理解した。けど、俺の想いは本物だ。葵の話を聞いたからと言って諦めるつもりはない。かと言って、今すぐ克服に付き合ったりは出来ない…」

「お気持ちだけいただいておきます」

「葵は、俺の事を殆ど知らないよな?」

「…。すみません」

「謝ってもらおうと思って言ったんじゃないよ。出来たら、俺を知ってもらえないか?葵の為に頑張る俺を」

「それは、どう言う…」

「俺は、葵を諦めるつもりはない。葵との将来を認めてもらえる様に、先ずは2年間新しい事にチャレンジをして、世間にグループとしても、俺自身としても認めてもらえる男になりたいと思っている」

「どうして、そこまで私を?」

「理屈じゃないんだ。あの日あの瞬間、俺の中で葵が運命の相手だと確信した。今日から2年、葵に会いには行けない。もちろん、葵は自由に生活していてくれて構わない。ただ、2年後に返事を聞かせてほしい」

何故か葵も素直に受け入れる事が出来た。

「分かりました。体に気をつけて頑張って下さいね。テレビの中の蒼さんを応援しています」


蒼には、その言葉で充分だった。遣り取りを見ていた原田も、何故蒼が葵を選んだのか分かった気がした。


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