捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
行き場のない想い
次の日、頭を抱える私に芽衣子はそっと紅茶を淹れてくれた。ミルクとはちみつ入りの甘い紅茶である。

「……ありがと」

 あのあと、物音に気付いて起きた鳴を再び寝かしつけ、とりあえず涼さんの頬を冷やした。

 本人は突然掴みかかられたことも、痕が付くくらい殴られたことも気にしていないようで、しきりと私に結婚の返答を聞こうとしていたけれど。

 その場で答えられるはずもなく、後日改めて話し合うということでひとまず収まった。

 そうして翌日を迎え、大人ふたりで話し合うことになったものの。

「うちのことは気にしなくていいから、徹底的に振ってやって」

 芽衣子はまだ怒っていた。

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