【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

7.学生寮


 華やかな夜会の終わった翌日。

 今日からはもう、士官学校が始まる。
 

 朝は決まった時間に、校庭で点呼がある。それまでに着替えを済ませ、整列をする。
 キュッと髪を結べば、丁度点呼を知らせる鐘が鳴る。
 この鐘が打ち鳴らされてから、自室から駆け出して整列する決まりだ。これも訓練の一種で、教官たちは集合時間を計っている。
 
 朝の朝礼と体操を済ませてから、食堂で一斉に朝食。
 士官学校とは言っても軍属扱いだから、そこに身分における差別はない。事実、討伐などが起これば、士官学校の生徒も派遣されることになっているからだ。
 戦場に赴いて、「ティーをもういっぱい所望する」、なんてことは王子様とて言えないのだ。

 テーブルの上には、決まった朝食が並べられる。戦場でも食べられている、黒くて硬いパン。スープにゆで卵。これに季節の野菜とか、フルーツなんかが日替わりでつく。おかわりは自由だ。
 それを各自で取りに行き、好きな席に座って食べる。
< 96 / 408 >

この作品をシェア

pagetop