破 恋

・・千里2️⃣


目を開きたいのに、
重くて····開かない·····

誰かの···話し声····

やっと、少しだけ開く····と
ここはどこ?
それにしても·····苦しい··痛い····
だるい····

ああ·····莉子だ。
莉子がベッドに頭を置いて
寝ている。
莉子の頭を撫でながら···
莉子っ···そばにいて····
言葉がでない···涙があふれる。

その日から
莉子は、何も言わずに
俺の看病をしてくれている。

ごめんな···辛いよな···
でも····そばにいて····
弱くて、ずるい俺は
あの時の話をせず
莉子からもないことを良しとして
莉子に甘える。

土日が終わり、莉子から
帰るね。と言われ····
もう、会えないのか
と、思うが····
「ちゃんと寝て
きちんと食べるんだよ。」
と、言ってくれる莉子に
「心配なら莉子が作ってよ。」
と、口にだす
莉子は、困った顔をしながら
笑っていた。

辛く、苦しい思いをさせているのは
わかっている
だけど、一緒にいて欲しい。

だけど莉子は、
仕事が終わって毎日来てくれた。

退院が決まった日に
「金曜日は、千里の部屋を片付けるから
来ないよ。」
と、言われた。

顔が見れない寂しさと
俺の部屋を片付けてくれるんだ
と、嬉しい気持ちになる。

土曜日の朝
診察が終わると退院。

先生からは
「どんなことがあっても
アルコールに頼らない
きちんと食べて水分をとる
そして寝るんだよ。
泉さんがいなかったら
命も危なかったんだからね。」
と、またまた叱られた。

優しい先生だ。
先生にお礼を言って
診察室を後にした。

莉子と共にマンションに帰る
退院したばかりだから寝て
と、言われるが
シャワーを浴びたかったから
莉子にお願いをしてシャワーを使う。

どの部屋も綺麗に片付けられていた。
莉子には、感謝しかない。
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