御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
でも、こうして奇跡的に再会できた。
このチャンスを逃したら、透さんに罪を償う機会は二度と来ないだろう。

美砂だって透さんに惹かれていた。私がだらだらと手紙で引き延ばさなければ、おそらくうまくいったはず。私は美砂をも裏切ったのだ。
今からでも間に合う。もう邪魔をしないから、ふたりがすれ違わず、想い合えた未来に戻そう。

美砂には池畠さんとの打算的な結婚より、透さんと愛に満ちた結婚をしてほしい。
その方が絶対幸せになれる。

透さんの手紙に綴られた想いをもう一度心に焼きつけてから、宝箱をクローゼットに戻した。

もう道を誤ってはいけない。今は私の婚約者という肩書きになっている透さんは、最後は姉と幸せになるのだ。

たとえ私が、今でも彼を好きだとしても。
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