二人の距離~やさしい愛にふれて~
それからしばらく理花を抱きしめていた恭吾は、ゆっくりと腕の力を抜いた。

「なぁ、こんなことやめたら?俺も突っ込んだけど…お前気持ちいいわけじゃないだろ?こんな風にさ、抱き合うほうが気持ち良くない?俺これ好きなんだ。」

「……うん、恭ちゃんとこうしてると不思議と息ができる。いっつも喉が焼けそうなほど熱くなるのに不思議…。」

「それ、計算?それとも本音?」

「……クククッ、さぁね、好きな方でいいよ。」

「じゃあ信じるよ。首突っ込んだ張本人は逃げたけど、俺も関わった訳だしいつでも俺がこうしてやるよ。」

ずっと焦点の合わないような表情をしていた理花だったが、恭吾の腕の中で穏やかな表情をしていた。

「まこちゃんとさ、うちの母さんってデキててほぼうちで一緒に暮らしてるんだけど、マンションの同じ階の隣の隣に家を借りてるんだ。どんな体裁だよって思ってたけどそれって母さんへの優しさらしいんだ。よくわかんねーけどめちゃくちゃ仲良いんだよ。息子の前でもイチャイチャしてさ…」

恭吾が話をしていると寝息が聞こえはじめ、理花が腕の中で寝ていた。
寝顔を見ながら恭吾は優しく微笑むと理花の髪を撫でた。
その日はそのまま二人で一夜をともにした。
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