二人の距離~やさしい愛にふれて~
「クッ、フフフフッ…」

理花が天井を見たまま笑いだし、恭吾はその笑顔に見入っていた。

「頭おかしいか…確かに。恭ちゃんはまこちゃんが好きなんだね。」

「あっ、まぁな。かなり可愛がってもらったからな。お前笑ったら可愛いな。」

理花も恭吾の方をみると、わずかな時間だが二人で見つめ合っていた。

「可愛いならもう一回する?いくらでも笑うよ。」

そういうと理花は初めて会った時のような薄気味悪い笑顔になる。

「いやっ、まじでその顔じゃもう楽しくねー。なんなんだよ、お前…。可愛いと思ったら気持ち悪-し。」

「そうそう、私に可愛いなんて言う人いないよ。気持ち悪いとか汚いとか。その方が落ち着く。本当のことだし。」

「まじで何なの?親は?いないとか?」

「……………いる。」

理花の表情は一気にくもり、また天井に向き直った。

「親は知ってるのか?こんなことしてること?」

「警官のおっさんみたいなこと言わないで。自分だって気持ち悪いって言いながら突っ込んだくせに。」

理花の目から涙が流れ出した。
恭吾はその涙を手の甲で拭うも、次から次へと流れ出ていた。
罪悪感を感じ理花をまた抱き寄せ、力いっぱい腕の中に包み込んだ。

「泣くくらいなら今すぐやめろ。」
< 9 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop