貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます【番外編追加しました】
第四章 密事
(陛下は大丈夫だったかしら)

 その夜、夕餉を終えても紅華はそわそわと落ち着かなかった。

 外朝の様子は、後宮までは聞こえてこない。あの後晴明がどうなったか、紅華は気になって仕方なかった。


「私、陛下の様子を見てまいります」

 同じようにそわそわしていた睡蓮が、そう言いだした。

「いいかしら。もう遅くなるけれど」

「おそらくお部屋にいらっしゃると思いますので、女官に聞けば陛下がどんなご様子だったか聞けると思います」

「そう? それじゃ、お願いするわね」


 睡蓮は急ぎ部屋を出て行った。だが、かなり待っていても戻ってこない。

(もしかして、あれからさらに具合が悪くなったのでは……)

 次第に不安になってきた紅華は、自分もこっそりと部屋を出た。
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