贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
5

クリスマスのディナーは 

ベリーヒルズヴィレッジの 高層レストランで。


静かな クリスマス音楽が

照明を落とした 店内に響く。


「明日香。メリークリスマス。」

「メリークリスマス。」


シャンパンで 乾杯して 贅沢な料理に 歓声を上げて。


2人で過ごす 初めてのクリスマス。

私は ずっと フワフワした

夢の中にいるような 気分だった。


食事を 終えて レストランを出ると 

悠樹は そっと私の 肩を抱いた。


会社のあるビルだから。

誰かに 見られるかもしれないのに。


そう思っても 私は そっと悠樹に 寄り掛かる。


「シャンパンに 酔ってしまったかも。」

「違うでしょう。明日香は 俺に 酔ったの。」

そんな悠樹の 甘い言葉に

私は 小さく笑顔を見せた。


悠樹の部屋まで ゆっくり歩いて。


初めて入った ベリーヒルズレジデンスは

私の想像を 絶するくらい 贅沢な空間で。


広々とした シャンデリアの輝く ロビーを抜けて。

悠樹の部屋に入ると マンションだと 思えないくらい

ゆったりと広くて 高級感があって。


やっぱり 悠樹と私は 住む世界が違う。


これ以上 一緒にいたら もっと辛くなる…

今だって こんなに 悠樹のことが 好きなのに。


もう 止めなければいけない…


悠樹がくれた 夢の時間に 感謝して。






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